2017年11月6日月曜日

ETX9000の調整

ETX9000の追尾精度がもう少しなんとか改善できないか検討してみた。赤経軸を手で動かすと遊びというか、ガタがありこれが結構大きい。ウォームのバックラッシュにしては大きすぎだ。軸廻りの加工精度に問題があると考えて分解して調べてみた。軸径11.7mmくらいに対して穴側が12.5mmほどあり、この部分でガタが発生しているようだ。どうしようもないが、穴側に紙をかませて誤差を小さくしてやった。軸が高速で回転するわけではないので、これで十分だ。組み立ててみるとガタつきはほどんどなくなった。使っていて気が付いたのだが、このシステムのモーターが非力なのでバランスを正確にとらないと動きの誤差が大きくなるようだ。こうした注意点に配慮してテスト撮影してみた。結果N型ポラリス(正確には無印でなくN型らしい)と遜色ない追尾性能まで向上した。200mmで120秒ノータッチでも成功する可能性がでてきた。感触ではN型よりもいい感じがする。400mmの重たいレンズでも60秒追尾できている。



2017年11月5日日曜日

DS2114鏡筒の改造

これまで活躍の場がないDS2114鏡筒の改造をしてみようと思い立った。このシステムの弱点はバローレンズを組み合わせているので、像にキレがないというかピンボケな感じが低倍率から高倍率まで終始ある事かな。バローレンズを外すとどうなるのだろう。ドロチューブ先端のバローを外してみた。この状態だと直焦点から各種アイピースで全くピントが合わない。鏡筒を短く切り詰めないといけないようだ。しかし鏡自体の焦点距離が不明なのでどのくらい切り詰めればいいのかが全く判らない。鏡筒の切り詰めは危険なので別の方法を考えた。要は鏡を前に出せばいいので、下駄をはかせることにした。最初は木材でやったが、下駄の高さが4センチや5センチでは全然だめで7センチでようやくアイピースが合うようになってきた。プラ製の高さを可変できるプラ束を使って直焦点までの条件を求めてみた。11センチくらい上げたら直焦点でピントが合ったが、画像から焦点距離は300mmくらいではないかと思われる。ただこの超単焦点球面鏡は写真撮影には収差がひどくて使い物にならない。なにせ星が点に写らないのである。アイピースでの眼視ではさほどひどく感じなかったので、この用途がいいと思う。庭の植物ではチェリモヤがよくついていて3個収穫できた。もうすぐ冬支度の準備を始めないといけない季節になった。








2017年10月24日火曜日

改造の成果

台風一過のつかの間の晴天を利用して改造機のテストをしてみた。動作は問題なく動いたが、導入精度はもう少し改善が必要だ。赤緯軸に少しガタがあるのでその影響かもしれない。赤経方向はちょうどよい感じで問題なさそうだ。極軸を正確に合わせる装置は対応していないのでその影響が大きいと考えている。それでも元のETX70よりはずっと正確に導入できている。追尾はレチクルアイピースで追尾状態を確認したが、正確に追尾しているようだ。時間があるのでテスト撮影をしてみた。基準の200mmでは追尾できているが、さすがに追尾精度はP型無印赤道儀の方が正確な印象を受ける。まだ試運転なので調整はこれからの課題だ。赤経側のモーターが外れる事があったので、クランプを強力なタイプに変更した。オートスターだが、コントローラは2台所有しており、Ver3.2の方は導入時行きつ戻りつ運動が出て芳しくない。もう1台のVer4.3は最新のバージョンで、この動きは発生しない。不慣れだがこちらのバージョンのほうがよさそうだ。




2017年10月22日日曜日

最大負荷試験

あいにくの台風接近で今日はなにもできそうにない。なので仮称ETX9000(ETX70とGX9000の合体品)の最大負荷試験をしてみた。重すぎて壊れてしまうと困るので、元々GX9000に付属の鏡筒114mmを使用した。体重測定したらジャスト3キロある。動くか心配だったが、バランスを合わせてスイッチを入れると、特にもたつきもなく動作した。ただ鏡筒が長いのでアライメント星はよく選択しないと三脚などに干渉する危険性はある。ポラリス赤道儀はガイドスコープのため自由雲台を強力なタイプに変えた。そのためベースプレートの鉄板を2枚重ねにして補強もした。GX9000は元々ファインダーが欠品していた。テストの時天体導入するのに不便を感じた。この望遠鏡のためにわざわざ買うのもなんなので、50年前の望遠鏡の残骸からファインダーを探し出して取り付けた。これで十分実用になる。







2017年10月19日木曜日

シミュレーション結果は上々だ

仮組の結果を考慮してモーターユニットを取り付けてシミュレーションしてみた。方角的には問題なさそうだ。無負荷状態のテストなので適当な鏡筒をつけて、負荷をかけてテストしてみた。その結果どうも赤経側の固定鉄板が強度不足でたわんでしまう。小さなモーターなのでパワーがないと思っていたが、そこそこのトルクは出るようだ。鉄板を2枚重ねにしたら固定が安定した。架台が違うのでホームポジションがどこかわからなかったが、赤経を90度東へ向けた位置が原点らしい。アライメントから複数の目標天体を導入して目盛環の数値でチェックしてみたが、正しい位置を示している。あとは実際にやってみることだが、あいにくの天気でしばらくテストはできそうにない。導入精度と追尾精度を実際の天体で確認するのが楽しみである。モーターユニットをよく見ると1段目に変なギヤがあるが、どうもこれがエンコーダーの役割をしているようだ。エンコーダーで回転制御しているので機械的なロスがなければかなり正確な制御ができているはずだ。







2017年10月16日月曜日

ETX70移植手術その2

第2段階としてETX70の中心部分となるモーターユニットと制御回路を取り出した。このプラ製のウォームギヤで架台側にあるプラのヘリカルギヤを回転させている。このため追尾の挙動がカクンカクンと20秒ごとに小刻みに動くと思われる。このウオームギヤを黄銅製の平歯車に交換して微動軸につけた平歯車を回すようにする。モジュール0.75の20枚のギヤで丁度いい組み合わせがあった。動くかどうか仮組して動作試験をしてみると、動きはするがやや過負荷な状態と思われた。赤道儀のグリスが古いのでネバネバしていて動きが硬いのが原因と考え、分解してグリスを新しいのに塗り替えた。赤道儀のウォームホイル歯数100枚に対してETX70の経度方向のギヤは94枚で緯度方向は58枚なのでオートスターのパラメータを修正して合わせる事にする。一度アライメントのシミュレーションをしてみたが、どうも方角が変だ。向いた方向から推察すると、ギヤが1個余分なので回転方向が逆になっているようだ。これは取り付け位置を逆にすれば解決した。モーターユニットは外付けできるように考慮されていないので、固定の方法が最も難しいと考えられる。





2017年10月15日日曜日

ETX70移植手術その1

ETX70の架台が壊れたので、制御システムを別のハードウェアへ移植する事を考えた。DSのモーター制御を移植した事例は見たことがあるが、ETXはどうなのだろうか。まず移植に適したハードウェアを検討した。ギヤによる全周駆動なので自然と赤道儀になった。安価なハードとしてGX9000という望遠鏡に注目した。このシステムは買ってはいけないとか言われている望遠鏡でオークションでも不人気である。1000円でもなかなか売れないし、送料の方が高くて2000円くらいかかる。だがほしいのはこの鏡筒ではなく赤道儀である。この赤道儀は両軸ともウォームギヤによる全周駆動である。GX4000など下位機種は赤緯が部分微動と思われる。競合もなく落札して届いたので組み立ててみた。アイピースが31.7なのはありがたい仕様だ。赤道儀は華奢だが、2キロまでなら余裕で稼働できそうだ。ETXのモーターは非力なので軽量でないと駆動できないという理由もある。折角なので鏡筒も光軸修正や清掃をして土星を見てみた。その印象は確かにコントラストが少し弱い感じがするが、球面鏡だけど普通に見える望遠鏡だと思う。以前に購入したDS2114の114mmと比較すると、GX9000の方が像がシャープでよく見える。バローレンズで焦点距離を稼いでいるのと、鏡でF値を伸ばした違いだと思う。記念撮影で月を撮影してみた。球面鏡なので写真は苦手だが、よく写っていると思う。





2017年10月12日木曜日

親父の空

数日前に親父が旅立った。その翌々日は空は青く澄み渡り雲一つない天気であった。きっと親父がいい星空をみせてやろうとした事に違いない。非常に多忙な中で、親父の空を撮影しておこうときめ、赤道儀をセットしてアンドロメダを撮影した。あたらしく導入した200mmのテスト撮影ともなった。あまりよくできた画像ではないが、記憶の1枚となるであろう。


2017年10月2日月曜日

久々の好天

先週末は久々の好天であった。ただ早い時間は月明かりがあるのが残念だ。1号機の調整もしたいので遠征撮影してきた。結果を評価してみたが、アナログな古いモータードライブなので少し回転ムラがあるようだ。かなり速度調整したつもりだが、ガイドエラーの頻度が結構ある。時間も遅くなったので切り上げたが、このシステムでは300mmまでとした方がよさそうだ。1軸駆動なので赤緯方向の調整はほぼ無理だ。露出も120秒くらいまでかな。夜半を過ぎると夜空はもう冬の気配だ。今年初めごろよく撮影したオリオン星雲などが出てくる。以前GPS撮影した天体も赤道儀撮影してみた。ISOで無理していないのできれいさは断然違う。今年の初め頃何度も撮影したが撮れなかったバラ星雲がうまく撮影できた。赤いガス雲がバラの花のように見えるためだが、普通撮影するとそこまでは写らない。




2017年9月16日土曜日

無印の改造

無印というと何か別の事を想起してしまうが、今回のそれは私が使用している赤道儀の事である。三十年以上前に購入した機械の赤道儀なのだが、その機械は以降SだのGだのAなどとグレードアップして現在に至っている。私の所有しているのはそれらがない、無印バージョンなのだ。2号機は2台のポートが接続できるように拡張し、さらに2軸モータードライブも追加した。古い機械なので当然オプション品は販売されていないし、現行品を取り付けるのは容易ではない。今回はSW社の2軸タイプを購入して取り付けた。システム自体は改造はしていないが、当然動作対象外なので100%自己責任だ。赤経側は何の問題もなく取り付けができたが、赤緯側は難しい作業だった。最初に考えた方法でも取り付けはできたが、回転させてみると赤経モーターと干渉する場合があった。赤緯側の駆動が必要かどうかはあるが、2軸分のパーツがあるので活用しない手はない。今後のテスト運用で成否がわかるだろう。動かしてみた感想は、最近のシステムなので動作音はすごく静かである。純正タイプも静かだが、動作音ははっきり確認できる。






2017年9月10日日曜日

北はどっちだ

以前から気にはなっていたのだが、どうも使用する機材で北の方向がだいぶ違うのだ。この際どこを向くか並べて比較してみた。床板の向きが概ね磁北の方向のようだ。2つのコンパスで確認できる。スマホとガラケーは磁北より大分西方向を指している。カメラのGPSは真北を指している。真北は磁北の4度東側なのでコンパスとくに左のレンザチックとGPSは正しく動いている。スマホはキャリブレーションで真北を指すようになったが、ガラケーはその機能があるか不明なので不正確のままだ。
今日赤道儀架台の修正をしたのだが、バランスシャフトの問題は極軸の傾きを合わせたら干渉しない事が判明した。三脚との接続部分は改善したら不安定感はなくなった。モータードライブを取り付けてテスト環境はできた。




2017年9月9日土曜日

望遠鏡DIY

ETX90の架台が壊れたので、代替をどうするか考えていた。もう1台のETX70も動作はするが、実稼働には使えないレベルだ。原因はプラ部品の強度である。プラスチックは製作時はいいとしても経年劣化する素材である。プラスチックの種類にもよるのだろうが、10年以上稼働したノートPCなどは、筐体がボロボロと力を入れなくても割れてしまう現象を経験したことがある。ETXはほとんどプラ部品でできている。例外はDSで、この機械の筐体や、フォークアームはダイカスト製だ。そのため負荷過剰でギヤが飛んだ以外トラブルはない。
私の使用目的から赤道儀がいいと判断したのでETX三脚に赤道儀を載せてみた。CADを使用して各部寸法を検討して作成したのだが、想定外の落とし穴があった。バランスシャフトが木製の台に干渉してしまう。まあ、角面を切り取ればいいんだが。バランス的にも修正の余地がありそうだ。ビスの頭が不整に出ているようで安定感も修正が必要だ。いい所もあって、架台の水平はとても合わせやすい。





2017年8月27日日曜日

Rayo家ベランダから

周囲の街明かりからRayo家での天体撮影は難しい。だが天頂付近はフードをつければ影響は小さいと考えた。新規に購入したレンズのテストも兼ねて撮影してみた。今回は調整中の赤道儀を使用してどの程度追尾が可能かもテストした。旧式の赤道儀だが、現在は昔と違っていい道具もある。昔はコンパスと極軸望遠鏡で合わせていたが、今は方位はGPSユニットで合わせ、傾斜はスマートホンの傾斜角度測定ツールで合わせられる。スマホのコンパスはどうもあまり正確でないようだ。最近よく撮影しているアンドロメダを撮影してみたら、そこそこいい画像が撮れた。やはり空が明るいためかコントラストはよくないようだ。そうこうしていたら東の空に見覚えのある星団が出てきた。プレアデス星団(すばる)である。赤道儀は赤経方向の追尾はモータードライブの調整でほぼ合わせられるが、赤緯方向へのズレが発生するので、露出時間やレンズにもよるが手動での修正が必要になる。経度方向のズレも多少でてくるので180秒が限界であろう。80mmのRFTは色収差よりも周辺部のコマ収差が目立つ。




2017年8月20日日曜日

秋の星空

今年は7月から曇りがちの日が続いている。おかげで星野撮影はさっぱりできなかったが、昨日は久々の好天だった。しばらく見ないうちに星空は既に秋の気配で、アンドロメダ星雲などを狙ってみた。赤道儀で追尾も考えたが、現在調整試験中なので従来通りのGPS撮影にした。ただしカメラをGPS撮影に向いた機種に変えてみた。追尾状態は改善されて、以前のカメラでは流れてしまうような条件でも対応できている。
M31は135mmから400mmまでのレンズで試したが、露出時間を調整すれば追尾できることがわかった。撮影用のセンサが旧式なのでISOは3200とした方がよかった。画像はM31アンドロメダ、M33星雲、二重星団である。ISOを6400で撮影したので粗い感じに仕上がっている。





2017年8月5日土曜日

メダカの赤ちゃんがいっぱい

カメゴロウ池に小赤とメダカ1匹がいたのだが、猫にとられたりで魚がいなくなってしまった。天敵がいないのでボウフラが大発生してしまった。急遽メダカを10匹ほど投入してボウフラを退治したのだが、その後メダカが見えなくなった。全滅したかと思っていたら、産卵して子メダカが孵化していた。小さなのが100匹近くいるのではと思う。
今年は桃やスモモが豊作だったが、庭の木はあまりよくない。プルーンや杏は1個しか実がつかなかった。その中でもブドウ、アテモヤ、チェリモヤ、グァバが比較的いい結果を出せそうだ。







2017年7月31日月曜日

もう1台の赤道儀

ETX90の架台が完全に壊れたようだ。突然動作が正常でなくなった。症状から推察するに、電源周りのトラブルのようだが、モーター制御回路も壊れているようだ。赤道儀モードでの星野撮影を企てていたが、この方法は無理な状態になってしまった。もっともこの機械のウォームホイルの歯数からして、高精度の追尾は難しいことは分解修理の知見から明らかになっている。しかし赤道儀といえばもう1台あったのだ。30年以上前に購入したV社の初期型の赤道儀である。30年前にも同じような事をやろうとして、モータードライブや極軸望遠鏡までそろえていた。部品を探し出して修理や錆取りをして組み立てた。モータードライブもちゃんと動作するようだ。当初の想定と少し違うが、これでも200mmくらいまでのガイドシステムとしては機能する。天気がよくなったら追尾精度を検証してみよう。