2019年1月20日日曜日

小型反射望遠鏡の改造

小型反射望遠鏡の仕様だが実際に計測してみると表示と異なる事が判明した。D80と表記されているが、主鏡径は実測すると77mmなので有効径はせいぜい76mmである。バローレンズを取り外すとピントが合わないので、おきまりの手段で鏡にゲタをはかせることにする。プラ製の高さ調整できる部品を流用して下駄を作成してテスト撮影してみると、かなりひどいゴーストが発生した。ありあわせのパーツでフードを作成したのが現在の姿である。これでもまだゴーストが出るが、これは副鏡支持ガラスによる反射光と思われ、対策は難しいと考える。そこでゴースト部分を除外してトリミングすると結構まともな画像になった。あの酷い画像からここまでの改善はできた。とりあえずはこれでよしとしようと思う。


 誤った表記
 下駄は実際もっと高い下駄になった
 強いゴーストが出た
長いフードをつけた現在の姿
 トリミング画像 最初の状態からかなり改善された

2019年1月10日木曜日

小型反射望遠鏡 その2

それでは小型反射望遠鏡の内部構造を観察してみよう。鏡筒の長さは300mmほどであるが、焦点距離は700mmと表記されている。これは内部にバローレンズがあるはずだ。分解してみるとやはり接眼筒の元口にあった。副鏡支持ガラスは単なる青板平ガラスで特殊なものではない。コーティングもされていないようだ。主鏡の光軸調整装置部分のプラスチックセルが割れて壊れている。接着剤とプラリペアで補修して使えるようにした。オリジナルのTANZUTSUと比較してみると、オリジナルの方は主鏡の光軸調整装置は省略されている。組み立てて、光軸を合わせてテストしてみると、酷く歪んだ星像が撮影できた。かつてミラーが腐食したミラーレンズがこんな感じの星像だったので、あれに勝るとも劣らないひどい画像だ。これはどこまで改善できるか予想がつかない。

 分解した部品 中央左がバローレンズ
 副鏡支持ガラス
 セルが壊れていた
 元祖TANZUTSUと記念撮影 TANZUTSUは600mmなので小さい
この状態でのM42 星像が歪んで変形している。


2019年1月7日月曜日

コンデジDE天体撮影 2

コンデジでもそれなりに天体撮影ができることは既に書いたが、もう少し改善できないかトライしてみた。レンズが300mmで交換はできないので、デジタルズームで2倍の600mmにしてみた。これはソフトウェアで画像を2倍に補間拡大しているので画質が大きく低下する。もっと倍率の高いズームレンズをもつコンデジで試してみたらと考えて30倍の720mmレンズのコンデジで撮影してみた。この機械はメーカー仕様どおりに設定ができない。どうもISOに連動して露出条件が変わるようだ。裏技で設定し撮影はできたが、色が変でモノクロではなく緑と黒の画像になる。これは画像センサーの性能によるもので、製造メーカーはこのため意図的に制限をしたと思われる。ホワイトバランスなどではあまり効果がないので、やむなくカラーでの撮影は断念してモノクロで撮影するようにした。デジタルズームに比べると画質は良くなっている。

 finepix S9100で300mmで撮影
 同機でデジタルズーム2倍
finepix HS10で撮影 赤外線写真みたいだ
同機でモノクロ設定で撮影 

2019年1月3日木曜日

小型反射望遠鏡 その1

昨年末オークションで小型反射望遠鏡なるものを入手した。メーカー名も不詳でかなり怪しい望遠鏡だ。だが、500円という価格にひかれてポチッてしまった。もちろん送料の方が高い。商品が届いて検品をしていくと、メーカー名は表記されていないが主鏡径80mmでFLが700mmと接眼部に書かれている。どこの国で製造されたのかも不明である。とりあえず、主鏡と斜鏡はついていて腐食もしていない。ただこの形式の反射望遠鏡はTANZUTSU方式の構造である。ロゴがないので、おそらく中国製のTANZUTSU模倣品と思われる。コスト的には普通にスパイダー形式にした方が安いのではと思うがいかがなものか。そして各所を分析したのだが、意外に真面目にというか愚直なまでに基本に忠実に作られている。安価な望遠鏡だと省略されている光軸修正装置も主鏡、斜鏡ともついているし、経緯台の微動装置もついている。三脚も強度が必要な箇所はアルミ製である。肝心の光学性能はどんな性能なのか興味がわいてきた。

 接眼部は24.5mmで、鏡筒回転の固定装置もついている。水平垂直の微動ノブがある。
スパイダーなしのTANZUTSU方式の反射望遠鏡だ。中央のプラ製のカバー下に副鏡光軸調整ねじがある。