2019年11月24日日曜日

マクストーフカセグレンは光軸調整不可

前回紹介したカセグレン式のSPACIA800だが、正確にはカセグレン式とは言えないようだ。球面鏡と補正レンズを利用したカセグレン風の光学系と言う方が的を得ているようだ。この望遠鏡は光軸が正確に合えばかなりのレベルまで到達できる。私の持つ望遠鏡で他にはシュミットカセグレンとマクストーフカセグレンがある。このうちマクストーフの方は画像がいまいちなので、修正できないか構造検討してみた。これは副鏡の位置を修正できない構造なのと主鏡をシフトさせる方式のため光軸修正は無理なことがわかった。主鏡の傾きを補正はできるが、光軸が修正可能とみられる変化を認められなかった。
やはりマクストーフは残念だが組み立て精度が性能限界となる。

 副鏡は補正板と一体で修正機構はない
 主鏡側にも調整機構はない
これは改善後のSPACIA800による画像

2019年11月15日金曜日

カセグレンの光軸修正は難しい

これまで気になっていたが、なかなか入手できなかったカセグレン鏡筒を入手した。それはSPACIA800というカセグレン式の望遠鏡だ。ネット情報はあまりないのだが、どちらかというと否定的な意見が多いとの印象だ。実際にこれでテスト撮影をしてみるが、やはり良い星像は得られない。何度も光軸修正してやるのだが、全く改善されないのであきらめてきた。今回は完全に分解して清掃して、副鏡の位置も正確に調整して組み立てたが改善はされない。ダメ元で恒星の焦点内外像で調整してみた。実はこれが当たりで、なんとか見るに耐えるくらいまで改善できた。ニュートン式はアイピースやレーザーで合わせていい星像が得られるのだが、カセグレンは最終的に焦点像で調整しないとだめだ。でもいい教訓が得られたと思う。この望遠鏡の印象はピカイチではないが、そこそこの画像は得られる。ただし、私のようなシロートには扱いが難しいシステムである。

焦点像で調整する前 星が膨らんで歪んでいる
 SPACIA800鏡筒(口径100mm FL800mm)
主鏡部
 副鏡は50mmもある。
改善後の星像 大分星像が小さくなった。