2023年7月30日日曜日

バルサム劣化修理

 古いレンズを入手すると貼り合わせレンズのバルサム劣化とかバル切れと呼ばれる状態の個体がままある。これの修理は極めて厄介で以前には熱湯で煮沸する方法でレンズを割った事があったので、それからは避けてきた。今回シグマの180mmを入手したのだが、クモリありのレンズという認識だった。分解して中玉のクモリはある程度軽減できたが、よく見ると更に中の方でなにかが流動したような痕跡が認められる。アセトンを塗布して更にレンズを分解すると、この組の後半が2枚の貼り合わせレンズで貼り合わせ面にバルサム劣化を確認できた。今回は煮沸による振動を避けてオーブン加熱による方法でバルサム剥がしをしてみた。条件は200度の20分でやってみたが、一回で分離ができた。ただバルサムが少し焦げて褐色に変質してしまった。もう少し低温でよかったのかもしれない。あと本来はバルサムで再貼り合わせすべきだが、面倒なのと気泡が入りそうなのでそのまま組み付ける事にした。レンズの動作などは特に問題は発生しなかったが、画質の変化などはわからない。





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